Boot Campの失敗談|パーティションが削除できなくなった恐怖の物語

macbookair

私はこれまで、2013年版のMacBook AirにBoot Campというシステムを使ってWindows10を入れて使ってきた。つまり、Macのパソコンなのだけど、その記憶媒体を擬似的にふたつに分割し、片方にWindows10というOSをぶち込んで、動かしていたのである。なんだか強引っぽい感じだが、このBoot CampというシステムはMacOSに標準で付いているので、ナチュラルなやり方である。

んが、今回、ちょっとしたきっかけでトラブルがトラブルを生み、Windows10を消去せざるをえなくなり、最終的にMacBook Airのパーティションが半分以上闇へと消えてしまった。ストレージ分割した部分が認識されなくなり、しかも元に戻らなくなってしまったのである。

将棋ではたったひとつの悪手が「詰み」へと至るわけだが、それと似たような、じょじょに追い詰められる恐怖の体験をしたので、ここに記しておきたい。

きっかけはMac Typeのインストールだった

Mac TypeというWindows用のアプリがある。これはWindowsなのにMacのようなフォントで文字を表示できるというもの。もともとMac信者の私は、つねづねWindowsの無機質なフォントに不満を感じていた。Windows用しかないアプリを常用しているため、Mac環境のみではだめだったので、Boot CampというシステムでWindows10を入れていたわけだが、このMac Typeを使えばMacのフォントでWindowsが使える! それを知った私はさっそくMac Typeをインストールした。

これが、悪夢の始まりであった。

Mac Typeをダウンロードし、いつものようにアプリのインストールをはじめる。途中までは問題ないように思えた。が、ポチポチとてきとーにクリックして作業を進めていくと、なんだかわからないがエラーが発生した。しかも、それを閉じても、エラーを知らせる同じウィンドウが何度でも立ち上がってしまう。この時点でけっこうな恐怖体験である。

「まあ、とりあえず再起動してみよう。そしたらなんとかなるだろう」

安易にこう考えた私はスタートメニューから再起動を選んだ。これが、取り返しのつかない一手になるとも知らずに……。

通常モードでWindowsが起動できない

さて、再起動されるのを待っていた私だが、愛用のMacBook Airの様子がおかしい。いつものなら、パスワードを入力するWindowsの画面が出てくるはず。なのに、それが出ない。代わりに、原色のブルーの画面! オーマイガッ! いちばん見たくないやつだ。そのブルー背景の上に表示されているのは「Windowsの起動がでけまへん」という意味の文章。

恐怖のブルーバック

さらに、自動的に2度ほど再起動がかかり、しかしそれでも起動はできず。

そのあと出てきたのはまたブルーの画面だが、今度はオプションの選択というものができるようになった。はじめての画面で戸惑ったが、手元のiPhoneでこういった場合の対処法を検索し、とりあえずセーフモードというものでWindowsを立ち上げることに。どうすればいいかというと……

  • オプションの選択
  • トラブルシューティング
  • 詳細オプション
  • スタートアップ設定
  • 再起動
  • 4)セーフモードを有効にする

これで、セーフモードにて起動する。セーフモードというのは余分な機能はなしで、最低限の状態でOSを立ち上げる、というもの。背景は真っ黒で、四隅には「セーフモード」と書かれてて、非常に不気味である。

だが、このおかげで大事なデータはUSBメモリにバックアップを取ることができた。USBメモリを読み込んでくれたのは本当にありがたいことであった。ただし、今回は不幸中の幸いだったが、普段からバックアップを取る習慣は本当に大事。

さて、セーフモードで入れたので、次は問題のMac Typeをアンインストールする必要がある。この元凶を消してしまえばそれでしまいのはずだ。というわけで、Mac Typeを入れたときに出現した「卸~MacType」をクリック。これを起動すれば、簡単にアンインストールできる……はずだった。

だが、「セーフモードではアンインストールできません」と出る。

スタートメニューからMac Typeを選び、右クリックし、そこからのアンインストールを試みるもだめ。他の方法も試したが、消すことができない。Windows Installerを起動すればアンインストールができるという情報があったのでやろうとしたが、なんとこのWindows Installer自体もセーフモードでは起動できないと出る!

このとき、私はフリーザの1回目の変身を目の当たりにしたベジータのような心境になっていた。

「ち、ちくしょう……おれの認識はそうとうに甘かった!」

復元もできない

一度セーフモードでの起動も解いて、ふたたびオプション選択の画面へ。次に試したのは回復オプションというものだ。どうやら自動で過去の状態がセーブされているらしく、回復オプションを使えばその時点までWindowsを戻せるらしい。

いつの時点がセーブされてるのかを見ると8月19日とある。おお、いいぞ! で、回復オプションを実行したら何が消えるのかを見てみると、見事に「Mac Type」とある。よし、これを実行すれば他の部分はそのままに、Mac Typeだけが消えてくれる。実行!

……だが、再起動したWindowsはさきほどまでと変わらない。ブルー背景だ。正常に起動しなかったのだ。

もう一度回復オプションの画面を見てみると、ついさっき見たのと同じ。つまり、何の変更も加わっていなかったのだ。全然、1ミリも回復なんかしていやがらない。Mac Typeは私のMacBook Airに巣食ったまま動いていない。念のため同じ操作を繰り返してみたが、やはりだめだった。

このとき、私はフリーザの2回目の変身を見たピッコロのような気持ちになっていた。

いよいよWindows10を削除する

Mac Typeのアンインストールもできないし、回復もできん。となると、もう、一度Windows10を消すしかない。

大事なデータは保存できたし、必要なアプリはまたダウンロードすればいい。各種の設定などはめんどくさいが、仕方ない。半日程度の作業でなんとかなるだろうし、Windows10を入れ直そう。このように割り切って考えることにした。

さらに、せっかくならBoot Campをやり直したいとも思った。

Boot Campでストレージ(記憶容量)を分割するときには、自分で「Macに○GB、Windowsに○GB」と決める必要がある。パーティションを区切る、なんていう言い方もする。私はこのパーティションを区切ったときに、Windowsサイドを50GBと、かなり少なめにしてしまっていたのだ。もともと128GBしかない低容量のMacで、Windowsへの割り当てが少なすぎた。そこで、この機会にWindowsへの割り当てを60GBくらいにしてやろうと思った。

なので、まずは不具合を抱えているWindowsのあるパーティションを削除。これはあっさりと完了。9ヶ月ほど世話になったWindowsは、とりあえずこの世から消滅した。私のMacBook Airはあの頃のアイツに戻った。ただのMacに。

そしたら次は、9ヶ月ほど前にやったように、またふたたびBoot CampでWindows10を入れればいい。もちろん、OS自体はまだ持っている。Boot Campに必要なUSBメモリもある。時間はかかるが、同じことをやるだけだから、問題ないはずだ。

このときの私はホッとしていたのだ。安堵していた。これからが本当の恐怖だとも知らずに……。

あの素晴らしいBoot Campをもう一度

また、Boot Campアシスタントを立ち上げた。これを実行すれば、ふたたびMacBook Airのストレージは分割され、新たな空白地帯に新たなWindows10が出現する。まっさらな更地にはなるが、またお気に入りの状態に戻していけばいい。たいして時間はかからない。

そんな気持ちで、私はパーティションの分割に着手した。格闘ゲームの体力ゲージのようなものがあって、真ん中にはしきりがある。これはドラッグすることで動かせる。左はMac用の、右はWindows用の区分となる。移動させると、それぞれのGBが変化する。私はWindows側に60GBを割り当て、パーティションの分割をスタートさせた。

ここからは一連の作業だ。Boot Campアシスタントが、うまくアシストしてくれる。新しいパーティションが作成されたら自動で再起動し、Windows10がインストールされる。そういう仕組みになっている。

だが、私の目論見は甘かった。

もうこれで終わり。デンデの回復を受け、死の淵から再度復活したベジータならフリーザを倒せる! そのくらい、希望に満ちていた。

だが、フリーザがさらに最後の変身を残していたように、トラブルは佳境へと突入する。

Windowsは入らないし、パーティションは戻らない

Macが再起動したとき、なぜだか、Windowsのインストール画面にならなかった。本当なら窓のマークが出て、インストールがはじまるところ、またMacOSの方が立ち上がってしまった。な、なぜだ? 私の心は不安で黒く塗りつぶされた。

Macが立ち上がった。恐る恐る、ストレージの状態を確認してみる。すると……

このMacについて

このようになっていた。

元来121GBほどあるSSDのストレージだが、よく見ていただきたい。分母が60GBになっている。残り60GBがないのだ。

そう、Windowsに割り当てた60GBが、ここには表示されていない。消えている。起動ディスクとして別で分割されたものがあればいいのだが、それを探しても見つからない。「もとからこのMacには60GBしかありませんけど?」みたいな顔をしていやがる。

では、ということでふたたびBoot Campアシスタントを立ち上げ、分割されたものを元に戻そうとした。が、こいつも知らんぷりだ。「そんな60GBはおまへんで。あんさんの勘違いやおまへんか?」とでも言わんばかりの態度である。

仕方なく、First Aidという、ストレージの異常を検出・復元するためのシステムを使ってみる。すると、たしかに異常が検出された。「あんさんの言う取りやったわ。たしかに、120GBはあるはずのストレージが減ってまんな」と認めた。が、復元は起動ディスクからでないとできないという。なので、言われた通り、起動ディスクというもので再度First Aidを試す。んが、ここではまた「なんも異常あらへんで。ヨソ行ってやー」と追い払われてしまう。

なんということだ!

たらい回しにされた挙句、Windowsのために分割してやったストレージはどこかへ消えてしまい、回復させることもできなかった。大事な60GBは、完全に、闇へと消えてしまったのである。

Boot Campは動かない

現状でBoot Campアシスタントを立ち上げるとこのように表示されてしまう

戦いのあとで

そのあと、MacOSをインストールし直すことも考えた。だが、それをしたところで、分割されたストレージが元どおりになるとは限らない。というか、MacOS自体が分割されたストレージの上にあるのだから、希望は薄い。それに、ここまで散々対処してきてことごとく失敗しているので、もうそんな気力も萎えてしまった。さらに、仮にストレージが戻ったところで、もう一度Boot Campを試す気にはなれない。

「このMacBook AirにWindowsを入れるのは、もう諦めよう……」

そう思った。

そもそも、2013年のMacBook Airである。パソコンとして、もうそこそこ古い。買い換えるのに、早すぎるということもない。私は観念した。

ちなみに、ここまで書いただけでもかなりいろいろな策を試したことがおわかりだと思うが、実際にはもっといろいろ細かいことをやっている。なのに、それらはことごとく失敗したのである。最初、たったひとつのアプリ、Mac Typeを入れたがために、どんどん窮地へと追い込まれ、結局、Windowsが二度とふたたび戻らない状態へと悪化していってしまった。まさに、たったひとつの悪手のせいで、詰んでしまったのだ。

教訓としては、「何も調べず、うかつに知らないアプリを入れるのはやめよう」ということ。

まあ、パソコンがかなりユーザーフレンドリーになり扱いやすくなった2017年にこんなことが起こるとは思わなかったが、ちょっと油断しすぎていたということだろう。これからは、もっと慎重に作業していきたい。

ちなみに、MacBook AirにBoot CampでWindowsを入れ直すのを諦めたので、新しいパソコンが必要となった。購入したのは2017年式iMacである。今月4日、つまり明々後日に届く予定だ。今度はBoot Campではなく、Parallels Desktopというものを使ってWindows環境を作る予定。「じゃあもうWindows機を買えよ」という声も聞こえてきそうだが、私は生粋のApple信者なので、Macのキーボードでないとろくに文章も打てないのだ。ここは、やはりMacにこだわらせてもらう。

新型iMacの使い心地、そのスペック、Parallels Desktopについては、近々また書くことにしよう。