映画『イコライザー』の感想|平凡そうな中年男が実はヤバすぎる奴だった!

ダイナー

一見、中年にさしかかった黒人の男。ちょっと気のいい、しかしどこにでもいそうなホームセンターの従業員。しかし、その正体は凄腕の元CIAだった! 復讐に燃える男はどこまで敵を追い詰めてゆく。最高にカタルシスを得られるアクション映画だ。

基本情報

原題:The Equalizer
公開:2014年
監督:アントワーン・フークア
出演:デンゼル・ワシントン
マートン・ソーカス
クロエ・グレース・モレッツ

視聴可能な動画サービス:
U-NEXT
YouTube

あらすじ

主人公のマッコールさんはボストンのホームセンターで働いている。同僚には「前は何をやってたんだ?」と尋ねられてもジョークでごまかしている。平穏な日々だ。

しかし、深夜のダイナーで知り合った若い売春婦テリーが元締めのマフィアにぼこられたと知り、アジトへと赴く。最初は金で解決しようとするが拒絶されたため、その場にいる全員を殺害。

ここから物語が動き出す。市井の人間になり切っていたマッコールさんはマフィアとたった一人で戦い、次々にその悪事を暴き、超人的な活躍ぶりを見せる。最後にはとうとう……

感想

そこまで期待せずに見た映画だったが、かなりの大当たり。感想を3つのテーマでお伝えしよう。

「舐めてた相手が実はっ!」の快感

この映画の醍醐味はやはりここ、「普通のおっさんだと思ったら超ヤバい奴だった!」ってところだ。主人公のマッコールさんはいかにも温厚な雰囲気のおじさん。しかし、怒らせたらだれも敵わないほどの凄腕。マフィアの男数人を、ものの19秒で瞬殺してしまう。

「舐めてた人が実はっ!」の快感は、たぶん普遍的なものだ。モニタリングという番組でも、普通のお爺さんに扮した男が急にプロ並のダンスを披露したりする企画がある。その感じを味わえる。

ちなみに、この『イコライザー』では、フリの部分もよく効いている。最初の30分ほどはホームセンターで働くマッコールさんの日常が描かれるのだが、ここもいい。深夜のダイナー(カフェのような場所)でスプーンやナイフをきちんとそろえる様子は『恋愛小説家』を連想させる。それくらい、几帳面で神経質な人物なのだ。それが豹変するから、面白さが倍増する。

クロエ・グレース・モレッツかわいい!

ヒロインは、『キックアス』で有名になったクロエだ。若い娼婦テリーの役で登場する。深夜、ダイナーで主人公と知り合い、ちょっとした話し相手になっていた相手だ。このテリーがマフィアにリンチを受けたのをきっかけに、物語は動き出す。

深夜のダイナーの雰囲気、そしてマッコールが読んでいた『老人と海』や『ドン・キホーテ』の話、テリー(クロエ)の髪やファッション――そういったものが相まって、マッコールとテリーのシーンはすばらしい。そして、クロエがかわいい。ハリウッド女優といってイメージする感じとはほど遠いが、小動物っぽい感じがいい。

DIYでぶっ殺せ!

『イコライザー』の主人公はホームセンターの従業員である。であれば当然のこと、ホームセンターにあるものを活用して欲しいと思うのが人情だろう。銃やナイフも結構、しかしホームセンターにお勤めならば、ぜひともDIY精神を殺人に持ち込んでいただきたいもの。

その願い、聞き届けられるのです。

ちょっとネタバレになるが、クライマックスでのバトルはまさに職場であるホームセンターを舞台に行われる。そこで、あんなものやこんなものを使って、敵とのバトルが繰り広げられるのだ。また、道具だけでなく、ホームセンターの地の利を活かした戦術も見られる。最高!

ここが残念

『イコライザー』は全体的に大好きな作品だった。主人公のキャラクターも、アクションも、ストーリーにも大満足。音楽もいい。なので、難癖をつけるようなところはほとんどない。シリアス一辺倒ではなく、ユーモアがあるのもいい。悪役も魅力的だ。

強いて言うなら、クロエ・グレース・モレッツをもっと見たかった。テリー(クロエ)が人質に取られて救出に向かうとかいう筋書にすればもっと出演シーンが増えただろうが、中盤はまったく出てこない。

関連作品

『ジョン・ウィック』(米 2014/日 2016)

同じく、舐めてた相手が凄腕だったという話。こちらも悪くない。ただし、復讐の動機が「犬を殺された」とやや弱めなのとユーモアが少ないのが不満。キアヌ・リーヴス主演。

『96時間』(仏 2008/日 2009)

これも、普通の中年男性だと思ってた人がヤバい奴だったという話。リュック・ベッソン監督作品で久々に面白いと思えた作品。

『キックアス』(米 2010/日 2010)

当時10歳のクロエ・グレース・モレッツが「ヒットガール」という殺し屋の役で出演するヒーローモノのパロディのような映画。殺戮シーンがすさまじくカタルシスがハンパない。

まとめ

『イコライザー』はほとんど話題にもならなかったし、期待せずに見た。が、すぐもう一度観たくなるくらいの面白さ。「平凡そうに見えて実はすげぇ奴」の話が好きな男性諸君にはぜひ観てもらいたい。