またしても、タバコ増税の話が持ち上がっている。というか、どうやらほぼ決定されたようだ。2018年から21年にかけて、段階的に1本1円ずつ増税していくらしい。つまり、1箱60円の値上げとなる。
にしても、気づくとタバコの増税・値上げが行われている状況である。まるで、真綿で首を絞められるように。いったいここ10年くらいのあいだにいくら増税されたのだろう?
以下、タバコ増税の歴史をまとめてみた。
2000年からのタバコ増税の歴史
あまり古い時代のことを見ても仕方がないし物価があまりに違うとややこしいことになるので、ここでは2000年からのタバコの値段を概観してみよう。
サンプルはタバコ界のロングセラー、セブンスターだ。現在は1箱460円と、やや高めのセブンスターだが、かつてはいくらで売っていたのか?
まずは表でごらんいただこう。
値上げ日 | 値段 | 理由 |
---|---|---|
1998年12月1日 | 250円 | たばこ特別税の創設 |
2003年7月1日 | 280円 | たばこ税の増税 |
2006年7月1日 | 300円 | たばこ税の増税 |
2010年10月1日 | 440円 | たばこ税の増税 |
2014年4月1日 | 460円 | 消費税増税(5%から8%) |
参考:消費税増税でまた値上げ! たばこ『セブンスター』の価格推移まとめ|Naverまとめ
1997年、消費税が3%から5%に引き上げられたため、それまで220円だったのが230円になり、翌年1998年、たばこ特別税ができてさらに250円になった。2003年7月1日にはたばこ税の増税により280円、さらに2006年7月1日にまたたばこ税アップで300円となっている。
32歳の私としては、このあたりの値段を「タバコのもともとの値段」だと認識している。「タバコは300円弱」というのが、相場観として今も脳内に刷り込まれている。
それから4年ほど平和な時代が続いたわけだが、とうとうやってきた。
関連記事:まさかの600円越え!? 加熱式タバコの増税予定がやばすぎる
2010年タバコが400円台に!

雷のごとく降ってきた大増税にスモーカーはパニック!
2010年10月1日、たばこ税大増税による値上げ。これでセブンスター1箱が440円に!
もちろん、他の銘柄もほぼ同じように値上げされた。私の吸っているケントも。このときはテレビでもタバコの一斉大幅値上げが取り上げられ、世間ではスモーカーたちが右往左往。値上げ前に何カートン、何十カートンのまとめ買いが日本中で行われた。
2010年10月といえば、元モー娘紺野がテレビ東京にアナウンサーとして入社し、めちゃイケに新メンバーが一気に加わり、菅首相の民主党政権下で事業仕分けが行われていた時期のことである。
あれから7年、紺野アナはテレ東を退社し、めちゃイケは終了が決定し、民主党はまだあるのかないのかわからないような状態になった。まさに隔世の感がある。が、この間2014年4月1日にはセブンスターは460円に値上げ。
タバコの増税だけは、だれにも止められない。
今後のタバコ増税の予定
つい先日の話だ。政府与党はタバコ税をさらに増税していくことを決めた。突然の解散総選挙を経て自民党が勝利し、それから2ヶ月とちょっとでもう増税決定。
選挙で勝ったから増税するのか、増税を打ち出したいからその前に選挙をやったのかわからないが、自民党はしたたかだ。
具体的には、2018年から2021年にかけて1円ずつ増税とある。朝日新聞デジタルによると……
たばこ増税は、10年度に1本3・5円(1箱で70円)引き上げられて以来、8年ぶりとなる。今回は一度に増税して税収が落ち込むことを避けるため、18年度に1円上げた後、消費税率が10%に引き上げられる19年度は増税せず、20年度と21年度にそれぞれ1円ずつ上げる方向だ。
引用元:朝日新聞デジタル:たばこ税、1本3円増税へ 来年度から段階的に
「19年度は増税せず」とあるが、消費税が上がるんだからタバコの値段は上がるはずだ。なので、来年2018年からは4年に渡るタバコ値上げラッシュとなる!
こうなると、セブンスターは500円を突破! 他のタバコも500円前後となってしまう。
サラリーマンの給料が上がらないと言われている中、喫煙者はポケットの中の小銭まで削り取られるようなことになるわけで、なかなか厳しい状況だ。
タバコにかかる税金の内訳
ところで、タバコ1箱にはどれくらいの税金がかかっているのだろう? タバコ税という特別な税金もあれば、他の商品と同じように消費税もかかっている。その税の内訳は?
これはJTのサイトで解説されていた。グラフにしてみるとこんな具合だ。

タバコ1箱440円の内訳(参考:たばこ税の仕組み|JT)
タバコの値段のうち、実に63%が税金だ。
あらゆる商品の中で、これは税金がいちばん高い。ビールで48.4%、ガソリンで55.4%だが、タバコはそれを上回る。
ちなみに、国と地方のたばこ税とは別に「たばこ特別税」というのがあって、これはなんだよと思うのだが、これは1998年に「日本国有鉄道清算事業団及び国有林野事業特別会計の負債を、一般会計に置き換えるために導入」されたもの。
なんで旧国鉄の借金がタバコに乗せられるのかはよくわからないが、こういうことのようだ。吐き出す煙を眺めながら、古いよき時代に日本を走っていたSLに思いを馳せてみてはいかが?
iQOSなど加熱式タバコの税金は?
では、最近流行の加熱式タバコ、あるいは電子タバコのタバコ税はどうなっているのだろう? iQOS(アイコス)、glo(グロー)、プルームテックなど、電子タバコはこの頃花盛り。
電子タバコ | 税率 |
---|---|
アイコス | 49.2% |
glo | 36% |
プルームテック | 14.9% |
このように、アイコスはかなり税率が高い。普通のタバコほどではないものの、約半分は税金だ。いや、消費税も加味すれば半分を超える。
グローとプルームテックはだいぶ低く抑えられれている。
だが、税金は取れるところから取るもの。現在、加熱式タバコの増税も検討されている。「紙巻きタバコがだめなら電子タバコへ」というスモーカーも多そうだが、そっちもいずれ標的とされそうだ。
まとめ
2017年12月のタバコ増税の話題を受け、セブンスターを例にとってタバコ増税の歴史・推移をチェックしてみた。2000年には200円台でお菓子2個分程度だったのに、2010年の大幅増税を経ていまは440円、近いうちに500円は超えそうだ。
だが、ヨーロッパやオーストラリアなどではすでに1箱1,000円ほどもするという。まだまだタバコ増税という喫煙者の受難は続きそうだ。
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