つみたてNISA(積立NISA)って何さ?【天下一わかりやすく解説】

つみたてNISA

貯金は美徳。あまったお金は銀行に預けて、将来に備えるべし。――なんて時代はもう終わったようだ。預金金利が0.001%とか、0.002%だとかいう昨今、お金の行く先として投資に注目が集まっている。

けど、投資の世界は複雑怪奇。株式や社債、投資信託だけでなく、先物取引にFX、デリバティブにインデックスファンド、暗号通貨は何者だ? 混乱することこの上ない。

そんな中、2018年にはまた新たにつみたてNISA(積立NISA)なるものが出現するという。こいつがどんなものなのか、なるべく噛み砕き、直感的にわかるように解説してみた。

一般NISAをざっくり復習

そもそも、普通のNISA(ニーサと読む)がどんなものかをご存知だろうか? これは2014年に始まった制度で、要するに、個人向けの減税措置である。日本語では「少額投資非課税制度」という。

普通、株や投資信託を買って儲けたときには税金がかかる。利益に対し、20%が持っていかれる。100万円の株を買って、運よくそれが150万円になったとしても、利益50万円の20%、つまり10万円は税金で持っていかれる。

だが、NISAなら、この税金が完全に免除。まるまる50万円があなたの懐に入ってくるのだ。やったねっ!

普通口座 NISA口座
投資額 100万円 100万円
増えた額 150万円 150万円
かかる税金 10万円 0円
儲け 40万円 50万円

だから、普通の証券口座で投資をするんじゃなく、NISA口座を作ろうよという話になる。こんなに税金を優遇してるんだから、日本国民のみんな、もっと投資に目を向けようよ、ってワケだ。

ただし、日本語で「少額投資非課税制度」となっているように、額には上限がある。また、期間も決まっている。NISA口座の上限は毎年120万円まで(繰り越しはできない)。期間は5年間。2023年までは毎年120万円の枠が増えていくが、投資総額は最大600万円までだ。

少ない額で、貯金感覚でコツコツ投資をするには向いておるんじゃ。

このへんはややこしいが、まあザックリと、「普通のNISAの枠は毎年120万円まで。期間は5年間」と覚えておいて欲しい。

じゃ、つみたてNISAって何さ?

納得する赤い服の女性

なーるほど!

では本題に入ろう。つみたてNISAはこれまでの普通のNISAと比べて何が変わるのか? もちろん、利益に非課税という部分は同じだが……これも最初にザックリ言えばこうである。

つみたてNISAは従来のNISAより、さらに長期的・安定的な投資をさせるような制度。

そもそもNISAというのは自由な投資に比べて安全な投資を促すものだった。マックスの金額は低いし、頻繁に売り買いができない。デイトレードとは真逆の世界で、投機とは程遠い。金融の知識のないおじいちゃんが、貯金がわりにコツコツと投資していくようなイメージ。それがNISAだった(と思う)。

だが、つみたてNISAはさらにそこへ拍車がかかって、こんな特徴が加わった。

つみたてNISAの特徴
  • 年間40万円まで
  • 対象商品は国(金融庁)が定めた投資信託のみ
  • 期間20年間

つまり、年間で投資できる額は3分の1、期間は4倍、銘柄は国が指定したものだけというふうに、細く・長く・安定した投資を促すようになっている。年間40万円×20年だから、最大800万円までとなる。

株式投資というとリスクと隣り合わせのイメージだが、ほとんど貯蓄に近いような形での投資ができるのがこのつみたてNISAということだ。株で失敗して大損、なんてイメージとは程遠い、堅実に堅実を重ねたような投資制度だ。

つみたてNISAの投資対象銘柄は?

銘柄

世界中にある無数の金融商品の中から選ぶのは素人には難しい……。

一般のNISAでは、自分の好きな銘柄が買える。国内でも、国外でも、投資信託でも自由だ。選び放題。急成長する株を買って儲けた人もいるだろうし、逆に、買った株が急落して大損した人もいたかもしれない。

だが、つみたてNISAでは商品・銘柄が金融庁によって指定されている。まず、個別株は買えず、すべて投資信託である。2017年10月2日時点での発表によれば、つみたてNISAの対象銘柄は国内外の投資信託103本。

いずれもリターンの期待値は低く、信託報酬(手数料)もかなり低め。やはり、リスクは極力低く抑えられている。詳しくはこちらをどうぞ。

金融庁『つみたてNISA対象商品届出一覧の公表について』

具体的な銘柄には、例えばこんなものがある。

SBI証券での取り扱い銘柄(一例)

  • たわらノーロード日経225
  • たわらノーロード先進国株式
  • 全世界株式・インデックスファンド
  • iFree TOPIXインデックス
  • ニッセイ日経平均インデックスファンド
  • 野村インデックスファンド・日経225(愛称:Funds-i日経225)
  • 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
  • ひふみプラス

参照:SBI証券|つみたてNISAの取扱商品(予定)

あまり詳しいことはわからないが、とにかく日本経済全体、あるいは世界経済全体と連動するような堅実なインデックスファンドばかりだ。よく、「株がただの紙切れになった」なんて話を聞くが、これらのファンドの価値がゼロになるのは世界が崩壊するときぐらいのもの。う〜ん、堅実!

普通の証券口座、一般NISAからの移し替えはできる?

どちらか選ぶ

制度としては並存する形だが、個人としてはどちらかを選ぶ必要がある。

2018年からつみたてNISAが登場するわけだが、これまでの一般NISAが廃止されたり、そのまま移行されるわけではない。あくまで別物としてつみたてNISAが登場し、従来のものと並存する形となる。ただし、どちらかを選ぶ必要はある。

だから、今NISA口座で持っている投資信託は、たとえつみたてNISAの対象銘柄であったとしても、そのままつみたてNISAに移し替え(ロールオーバー)することはできない。もし移したい場合は、一旦売却して、つみたてNISA枠で買い直す必要がある(非課税なのは同じだから、そんなことをする必要はないと思うけど)。

初めての資産運用ならつみたてNISAはおすすめ

これから投資をやってみようか、という方には、このつみたてNISAはおすすめだ。いいと思う。もちろん、投資で高い利益を出そうと思えばめちゃくちゃ勉強して研究して修行をしないと無理だが、つみたてNISAなら銘柄も指定されるため、あまり頭を使う必要がない。

まったくのド素人なんじゃが、預金しとくのももったいないし、気軽に投資する方法はないかのう?

なんて方にはうってつけだ。

また、銀行や信用金庫の人に運用を任せてしまうと、やたら手数料の高い金融商品を買わされ、しかも頻繁に買い換えを促されて、無駄に手数料ばかり取られて損してしまうなんてこともある。こういう問題が日本中で起こっているらしい。その点、例えばネット証券の口座を自分で開いてつみたてNISAで運用すれば、そんな「手数料貧乏」に陥らずに済む。

近年、民間の金融機関との取引に関して、国民から金融庁へ多くの苦情が届けられているらしいが、このつみたてNISAはアコギな商売をする銀行や信用金庫への牽制……なのかも?

まとめ

NISAは前々から制度が拡大していくだろうと言われていたが、2018年からはこのつみたてNISAが追加され、さらに資産運用の選択肢が増えた。口座開設はネット証券で簡単にできるし、リスクも低いし、利用者はどんどん増えていくだろう。

お金はただ銀行に預けておくだけでいい。そうすれば間違いない。なんていう時代は終わった。これからは、個人で金融知識をつけて、投資先を考えねばならない時代だ。現金を預けておくだけだったら、インフレになったり円安が進んだりしたとき、実はめちゃくちゃ損してたなんてことになりかねない。

従来型のNISAもつみたてNISAも、投資の入り口としては最適である。

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